WORKS sound installation

薄月夜
一体の人形+13ch サウンドインスタレーション
April 5-12, 2018 金沢21世紀美術館 シアター21





「薄月夜」は過去のサウンドインスタレーションとは異なり、球体関節人形を作品空間に一体配置してみました。設営は人形作家自ら会場で仕上げ、また音の拡散、オブジェの印象に深く関わる照明はこの作品空間のためにプログラムされております。
セッティング(2018.4.3-4)

photo ハヤシハジメ


【コンセプト】 金春禅竹作の能の演目「定家」を題材としたインスタレーション。式子内親王の死後も永遠と続く凄まじい愛欲の念。成仏できず、閉塞された空間(墓)から抜け出すことができず苦しみながらも自ら閉じ込められることを志望した式子内親王のマゾヒスティックなよろこび。拘束された永遠の時間、苦しくもまたこの上なく心地よい場を会場(シアター21)の中心に置かれた人形をその基点とし取り巻く空間を音で表現します。
インスタレーション(2018.4.5-12)

photo ハヤシハジメ


【展示、音のデザイン】 会場の床面に投影された光のサークル内に置かれた人形を中心に大小2つの五角形に10本のスピーカーを配置。天井にも1つ音源を配置し円錐(えんすい)形をイメージする音空間を形成。この円錐形の音のオブジェ(造形的な音源)の周囲を歩き回ると個々に音の変化を感じることができ、定位置では30秒の周期で音のオブジェが一回転します。またスピーカーは無指向性(水平方向360°)の特性を生かした配置となっています。

【音のイメージ】 閉ざされた空間に雫(しずく)の音が響き、声のオブジェと化す。ケーブルにからまる人形。情念と永遠に朽ちることの無い肉体を保ち、やがて肉体のパーツは、耽美なオブジェとなり、個々に内在する声が空間を漂う。やがて2種のオブジェは偶発的でありながら協調性を持つ対位的旋律で浮遊する。
曲、サウンドデザイン : 蓑輪紀人
人形 : 愛実
照明 : 宮向隆
音響 : 森紀浩、田中丈雄、上田寿美子
ビデオ制作 : 野島幸三郎

主催:株式会社ディ・フェアリー
協力:若松工業株式会社、田中流(チラシ表写真)、大西英史
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