PROFILE

蓑輪紀人 Norihito Minowa
作曲、サウンドデザイン
株式会社ディ・フェアリー代表

1994年創業後、CMやゲーム音楽、環境音などの音プロジェクトに参加。
また演奏家、舞踏家に数々の楽曲を提供。現代彫刻家、映像作家との実験的なコラボレーション作品も発表する。
以後、サウンドインスタレーションという形でミニマル音楽の可能性を示唆し、独自の作曲スタイルを確立している。
2009年「アクアフレーム」は前作と比べ60のスピーカーと大きくスケールアップされ" 観賞者が独自の音世界を創出できる空間作り" を試みた。
2012年「妖精エコー」(24ch)では周波数の分解、音の角度、また黄金比を音の推移に取り入れるなど更に流動的で複雑な揺らぎを追求した。
2012年から海外公演(米、独、蘭)現代アーティストと共同作品の発表も精力的に行っている。

1983年 玉川大学文学部芸術学科音楽専攻作曲科卒

主要作品

「プレリュードI、II 、III」(1988年委嘱)
「高崎商科短期大学付属高等学校応援歌」(1991年委嘱)

ゲーム、CM作品:
「京都緑化フェア」デモムービーCD-ROM B.G.M(1994年)
「リトルウイング・クリスタルカリバーン」ゲームソフト挿入曲(1994年)

舞台作品、会場音楽:
「um...」コンテンポラリーダンス音楽(1998年大阪AI HALL)
「フラグメント」映像プログラマーとコンテンポラリーダンスの音楽(1998年ヤン・フートIN鶴来)
「ダンスカクテル」6人のパフォーマーのための音楽(1999年金沢市民芸術村)
「Absence of the tea master」創作茶会音楽(2013年西田幾多郎記念館)
「Transition from arrival to departure」舞踏+小堀遠州流茶事の音楽(2013年デュッセルドルフ)
「Tea ceremony in Amsterdam」茶会&トークイベント音楽(2013年アムステルダム)

サウンドインスタレーション:
「メタルシンフォニー」8ch立体音響作品、岡部俊彦氏「至高の精神展」(2008年砺波美術館)
「aqua frame」60ch立体音響作品(2009年代官山ヒルサイドプラザホール)
「妖精エコー」24ch立体音響作品(2012年金沢21世紀美術館シアター21)

作曲基本コンセプト

私が生まれ育った金沢には「兼六園」があります。
日本庭園の基本である“築山林泉式”という様式で山に見立てた築山を作り滝水を落とす。
そして池や流れを写し出すいわば自然風景を凝縮した庭園です。

さらにこの“築山林泉式”は“鑑賞式”と“回遊式”に分けられます。
「兼六園」は歩行しながら多角の眺めを楽しむことの出来る“回遊式”です。

作品の中には知らず知らずの内、回遊式庭園を表現していたように思えます。
古(いにしえ)より日本人はひとつの空間に大自然を凝縮した世界観を見出し,四季を愛で、風や雨音に耳をすませ素朴な喜びを感じ取っていました。
雨の日に庭では、木の位置、高さ、葉の形、大きさ、配置など立体的にとらえることが出来、交響曲にまさるとも劣らない雨音の音楽を体験できます。

私の音作りは風景を音楽にした作品ではありません。
表現する事が難しい日本人の感性を音楽で伝える事に挑みます。

意識に秘められたもの、音を押し付けない音楽性を追求して行きたいと思います。
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